~歯周病患者を増やすための具体的なアプローチ~
歯周病専門医として診療に取り組む中で、「検診やメンテナンスの患者は多いが、肝心の歯周病患者がなかなか来ない」という悩みをお持ちの歯科院は多いのではないでしょうか。歯周病治療に特化した診療を提供しているにもかかわらず、専門性が求められる患者が少ないのは大きな課題です。この記事では、そのような悩みを解決するためのヒントをお伝えします。
目次
1. ターゲット層を明確化する
歯周病は中高年層に多い疾患である一方、軽度の症状に気づかず治療を先送りにしてしまう人も多くいます。そのため、以下のターゲット層を明確にし、それぞれに合ったアプローチを考えましょう。
30代後半〜50代の会社員
特徴
・多忙で仕事優先の生活を送る傾向があり、健康管理が後回しになりがち。
・歯周病の初期症状(歯ぐきの腫れ、軽度の出血など)に気づいても放置する場合が多い。
・通院を「時間がかかる」「面倒」と感じるため、簡便性を重視。
・ストレスや生活習慣(喫煙、不規則な食生活)が歯周病のリスクを高めている。
アプローチ方法
短時間での診療を訴求
「昼休みに通える」「忙しい方のための時短診療」といった訴求で、時間的なハードルを下げる。
オンライン予約や相談機能の充実
仕事中でも気軽に予約が取れるシステムを用意する。
データに基づいたリスク提示
「歯周病を放置すると全身の健康に影響を与える可能性がある」など、信頼性の高い情報を提供し、健康への意識を高める。
福利厚生との連携
大企業の健康保険組合や福利厚生サービスにアプローチし、社員向けの歯科検診や歯周病治療のPRを行う。
健康意識が高い40代以上の女性
特徴
・美容や健康への意識が高く、情報収集に積極的。
・「口臭」「見た目(歯ぐきの黒ずみや下がり)」など、外見に関する悩みを抱えている場合が多い。
・家族全体の健康管理にも敏感で、配偶者や子どもの歯科にも関心がある。
アプローチ方法
美容と健康を強調した訴求
「美しい笑顔は健康な歯ぐきから」「歯ぐきの若返り治療」など、美容と絡めたメッセージを発信。
症例写真や体験談を活用
実際の患者の改善例や、治療後に感じた変化(見た目や自信向上など)を紹介。
SNSでの情報発信
Instagramなどで、40代以上の女性に共感されやすい投稿を行う(例えば、口臭ケアや歯ぐきの色改善に関するリール動画など)
夫婦・家族割引の提供
配偶者や家族で通うことで割引を受けられるプランを提案し、家族全体の来院を促す。
歯周病が進行しやすい糖尿病患者や喫煙者
特徴
・糖尿病の患者は免疫機能が低下しており、歯周病が進行しやすい傾向にある。
・喫煙者は歯ぐきの血流が悪化し、歯周病のリスクが高いが、症状に気づきにくい。
・健康への意識は持ちつつも、自己管理が難しい場合が多い。
アプローチ方法
医科との連携強化
糖尿病や生活習慣病の診療を行う内科・循環器科と提携し、相互紹介を進める。
喫煙者向けの特化メニュー
「喫煙者のための歯周病リスク検診」など、喫煙が引き起こす歯ぐきへの影響をわかりやすく伝えるプログラムを用意。
全身との関連性を啓発
糖尿病患者に対して「歯周病が血糖コントロールに悪影響を及ぼす」など、全身の健康とのつながりを丁寧に説明。
フォローアップ体制の整備
定期的なメンテナンスやチェックアップの重要性を強調し、治療後も継続して通院してもらえる仕組みを作る。
2. WEBサイトの情報を強化する
既にWEBサイトを活用されているとのことですが、以下のような施策で歯周病患者の集客力を高められる可能性があります。
症状別ページの作成
「歯ぐきの腫れが気になる方へ」「口臭が気になる方へ」など具体的な症状を訴求するページを設け、検索エンジンでの露出を高めます。
治療例のビフォーアフター写真
実際の患者の治療結果をビジュアルで示すことで、信頼性を向上させます(患者の許可を得た上で掲載)。
歯周病チェックリスト
簡単なセルフチェック機能を提供し、気軽に自分の状態を確認できるようにします。
3. Instagramを活用した啓発
Instagramでの情報発信は専門性を伝える有効な手段です。
投稿のテーマ例
・「毎日のケアで歯周病予防!簡単にできるセルフケア」
・「歯周病が進行するとどうなる?図解で解説」
・「患者様の声:治療で自信を取り戻したエピソード」
リールでの情報提供
短い動画で、歯周病の症状や治療の重要性をわかりやすく説明します。
ハッシュタグ戦略
「#歯周病」「#歯ぐきの腫れ」「#口臭改善」など、潜在患者が検索しそうなキーワードを活用しましょう。
4. 地域に根ざしたアプローチ
歯周病患者が少ない原因の一つに、地域での認知度不足が考えられます。以下の取り組みを検討してください。
地域の医療機関や薬局との連携
歯周病と関連の深い糖尿病や高血圧の患者を紹介してもらう仕組みを作る。
健康イベントやセミナー開催
「歯周病予防セミナー」「無料歯ぐきチェック」などを開催し、地域住民との接点を増やします。
おわり
歯周病患者の増加には、専門性を発信しつつ、地域住民との信頼関係を構築することが重要です。今回ご紹介した施策を参考に、着実に患者との接点を増やしていきましょう。
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